現在、「平均買付単価」を用いた間違った説明が定着している状況を紹介しました。
積立投資の説明でよくある3つの間違いは、以下の通りです。
【よくある間違い3】「平均買付単価が平準化される」という説明
平均買付単価はそもそも積立投資の特徴・リスクを一切説明できない

【よくある間違い1】で説明した通り、中長期的に成長が期待できる資産に積立投資をした場合、「平均買付単価は上昇しやすい」ので「平均買付単価が下がる」という説明は間違っています。
しかし、本当の問題はそこではありません。
積立投資には、一括投資にない様々な特徴・リスクがあります。
しかし、ほとんどの方はそれらを知らずに、積立投資を誤解しています。
「平均買付単価」を用いて説明する一番の弊害は、積立投資の特徴やリスクをきちんと説明出来ない点です。
今回は、積立投資の説明で「平均買付単価」を用いるべきではない7つの理由の概要を説明します。
(詳細については、今後個別のページで解説します。)
理由1.下落時の「安心感」=「回復力」を説明できないから

積立投資は、値下がり時に「量」を買い込むので、価格が少し戻した時に回復しやすいです。
つまり、一括投資にはない「回復力」があります。
それゆえ、一括投資に比べて「安心して始めやすく、続けやすい」のです。
「投資の成績=量×価格」を用いて「量」の視点を持てば、簡単に「下落時の安心感」を理解できます。
しかし、「平均買付単価」では、「下落時の安心感」や「回復力」を簡単に説明できないので、今すぐ辞めるべきです。
投資家(お客様)の為に、「投資の成績=量×価格」で説明しましょう!
理由2. 下落時が「量」を買い込むチャンスと説明できないから

積立投資は値下がり時に多くの「量」を買い込みます。
それゆえ、「価格」が戻ってきた時に、一気に投資の成績が伸びます。
つまり、下落期間が「量」を買い込むチャンスになります。
この特徴を知っていれば、相場の下落局面のストレスが抑えられ、その後の上昇局面を楽しみに待てます。
「量」の視点を持ってなければ、下落は単に「我慢」「忍耐」「辛抱」の時間です。
「量」の視点を持っていれば、下落が「量を買い込むチャンス」「量を買い込む楽しい時間」「ストレスが少ない期間」に変わるのです。
しかし、残念なことに多くの投資家は「量」の視点を持っていません。
それゆえ、下落が続くと怖くなってしまい、せっかく始めた積立投資を辞めてしまう事が多いのです。
しかし、平均買付単価の説明では、「値下がりが量を買い込むチャンス」「下落から回復時の成長力」を説明できないので、今すぐやめるべきです。
投資家(お客様)の為に、「投資の成績=量×価格」で説明しましょう!
理由3. 値上がりのメリットを説明できないから

積立投資は、投資した商品が順調に上昇しても、きちんと利益が出ます。
上のグラフの例では、赤や青は価格が堅調に上昇していて、投資の成績を見ても、安定的に利益が出ているのが分かります。
価格が順調に上昇すると、買える「量」は減ります。
しかし、買った「量」が値上がりすれば、利益が出ます。
しかし、「平均買付単価が下がる」という説明では、値上がりのメリットを説明できません。
そもそも、価格が上昇する商品にドルコストをすると、「平均買付単価」は上がります。
「平均買付単価が抑えられる・低くなる」という趣旨の説明と矛盾してしまいます。
平均買付単価の説明は、ドルコストの値上がりのメリットを説明できないので、今すぐ辞めるべきです。
投資家(お客様)の為に、「投資の成績=量×価格」で説明しましょう!
理由4.「シーソーの関係」を説明できないから

積立投資の場合、価格は上がるのと下がるのはどちらがいいのでしょう?
正解は「どちらでもいい」です。
中長期的にみて、終盤に向けて上昇基調であればどちらでも大丈夫です。
価格が下がった場合、買える「量」が増え、積み上がります。
その後、少し価格が上昇したら、掛け算の力で投資の成績が伸びやすいのです。
一方、価格が順調に上昇すると、買える「量」は減ります。
しかし、買える「量」が減るとはいえ、買った「量」の価格が上昇すれば利益は出ます。
つまり、積立投資の「量」と「価格」はシーソーの関係なのです。
どちらかが上昇する(増える)方が有利というものではありません。
バランス良く双方が上昇しても(増えても)いいのです。
大切なのは、「量」と「価格」を掛け算した結果です。
このシーソーの関係を理解すれば、積立投資をする際に、細かい商品のパフォーマンスをそこまで気にしないでいいことが分かります。
「平均買付単価」の説明では、積立投資の「シーソーの関係」を全く説明できないので、今すぐ辞めるべきです。
投資家(お客様)の為に、「投資の成績=量×価格」で説明しましょう!
理由5. 細かい値動きはあまり気にしないで良いことを説明できないから

上の例で、赤と青の価格の値動き(商品の成績)はかなり似ています。
しかし、投資の成績をみると、赤が青の約2倍の利益が出ています。
あなたは、上の価格の推移を見て、赤色が2倍も儲かると想像できたでしょうか?
積立投資では、投資した商品の成績が芳しくなくても、その分「量」を多く買うことができるので、一概に悪いとは言えません。
ドルコストで大切なのは「価格」が上昇することではなく、「量」と「価格」の掛け算を増やすことだからです。
積立投資では、細かい商品の値動きはあまり気にする必要はありません。
長く続けて、中長期的に成長する資産に積み立てて行けばOKです。
しかし、平均買付単価の説明では、細かい成績まで気にする必要がないことを説明できないので、今すぐやめるべきです。
投資家(お客様)の為に、「投資の成績=量×価格」で説明しましょう。
理由6. 始めるタイミングが重要でないことを説明できないから

積立投資をスタートするタイミングは全く重要ではありません。
理由は、始めた当初は「量」が溜まってないからです。
「量」が溜まってない状態で、いくら価格が変動しても、投資の成績に与える影響は限定的です。
さらに言えば、「量」を積み上げていくには、なるべく早く始めた方がいいのです。
早く始めて、長く続けて「量」を積み上げればいいのです。
積立投資の始めるタイミングを図る意味はありません。
しかし、多くの投資家は「量」の視点がないため、「投資を始めるタイミングが重要」「投資を始めて下がったら損をする」と誤解してます。
スタートのリスクが過大評価しています。
平均買付単価の説明では、スタートのタイミングは全く気にしないでいい点を説明できないので、今すぐやめるべきです。
投資家(お客様)の為に、「投資の成績=量×価格」で説明しましょう!
理由7.終盤のリスクを説明できないから

積立投資は、終盤に向けて投資の成績の変動幅が大きくなります。
理由は「量」です。
量が積み上がると、少しの価格変動で、投資の成績は大きく動くのです。
しかし、平均買付単価を用いた説明では、終盤に向けて少しずつリスクが高まる点を全く説明できません。

これまで金融業界は、積立投資の将来を「複利効果」の説明で終えてました。
それゆえ、終盤のリスクを過小評価して伝えていたのです。
「平均買付単価」を用いた説明では、積立投資の終盤のリスクを正しく説明できないので、今すぐやめるべきです。
投資家(お客様)の為に、「投資の成績=量×価格」で説明しましょう!
平均買付単価の説明は積立投資の重要な特徴・リスクを何一つ説明してない

いかがでしょうか?
現在定着している「平均買付単価を用いた説明」は、積立投資の重要な特徴やリスクを何一つ説明できていないのが理解できたでしょうか?
安くなった時に多くの量を買い、高くなった時に少ない量しか買わないので、
・「効率よく口数を買い込みます・・・」
・「平均買付単価が抑えられます(低くなります)・・・」
この様な平均買付単価を用いた説明は、全く顧客本位ではありません。
「平均買付単価」は、投資家(お客様)に何のメリットもない「百害あって一利なし」の説明なので、今すぐやめるべきです。
(平均買付単価は売却時の税金の計算に用いる程度で十分です)
代わりに、「投資の成績=量×価格」を用いて、まだ全然知られていない積立投資の特徴やリスクを伝えましょう。
プロとして、積立投資を正しくお客様に説明したい方は、ドルコスト平均法検定を受験してください。
積立投資を周りの人に教えてあげて、認知度を高めよう!
これからの日本人には、自助努力による資産形成が不可欠です。
しかし、日本では金融業界が本気で推進してこなかった事もあり、まだまだ知らない人が圧倒的に多いです。
また、投資=ギャンブル・博打と誤解している人も大勢います。
あなたのお友達や同僚、ご家族の方に積立投資を教えてあげましょう!
そして、将来お金で困る人を1人でも減らす為に、正しい積立投資の知識を共有して、ドルコスト社会を実現しましょう!