積立投資の特徴10:積立投資のコストの影響は一括投資に比べて半減する

積立投資は、一括投資に比べてコストの影響は約半減します。

ほとんどの人は「年間のコスト1%の差が30年で30%になる・・・」と誤解しています。

積立投資の場合、コストが1%異なる商品に積立ると約15%の影響しかありません。

コストが1%異なる商品に積み立てた場合

これはコストが1%異なる運用商品AとBの推移です。

話を単純にする為に、直線的な値動きにします。

運用のコストは、毎営業日按分されて差し引かれます。

運用のコストが年率1%異なる場合、1年後にその基準価格に1%の差がでます。

積立投資の場合、徐々に下落する価格に継続的に投資します。

つまり、コストの影響は少しずつ出てきて、期間全体で見ると最初に同金額一括投資する場合に比べて、約半減するのです。

(実際には直線的に動くのではなく、もっとジグザグして動くので厳密に事前にコストの影響を把握する事はできません。)

これは投資のタイミングで考えるとわかりやすいです。

1年間の場合、最初(初月)に投資したお金は、1年間運用されるので1%のコストの影響を受けます。

6ヶ月目に投資されるお金は、半年間運用されるので約0.5%の影響を受けます。

12回目に投資されたお金は1ヶ月間しか運用されないので、1/12の影響しか受けません。

総合的に考えると、コスト1%の影響は約0.5%しかないのです。

(しかも、シーソーの関係もあるので、厳密に考えるとさらに複雑になります。コストの影響で価格が下がれば、買える量は増えるからです。)

一括投資は、最初に全ての資金を投資するのでコストの影響を100%受けます。

一方、積立投資は分割して投資していきます。

それゆえ、投資するタイミングによって、コストの影響を受ける期間が異なるのです。

長期で考えてもコストの影響は一括投資に比べて半減する

これはもっと長期で考えても同様です。

上の図はコストが1%異なる商品に20年間の積立投資をした比較です。

1年目の1回目に投資したお金は、20年間運用されるので20%の影響を受けます。

10年目の1回目に投資したお金は、10年間運用されるので10%の影響を受けます。

20年目の1回目に投資したお金は、1年間しか運用されないので1%の影響しか受けません。

期間全体で平均するとコストの影響は約0.5%になるのです。

積立投資のコストの影響が完全に「誤解」されている

今、積立投資のコストについて完全に誤解されています。

金融業界・有識者と呼ばれる人も理解していません。

つみたてNISAのパンフレットは、積立投資のコストについて真逆の説明をしています。

積立投資の制度なのに、一括投資のコストの影響を説明している。つみたてNISAは、積立投資に限定した制度。本来は積立投資のコストの影響は「半減」すると説明するのが正しい。

これは一日も早く修正を望みます。

コストの影響が下がるという事は、金融機関の立場からすると、一般的に理解されているよりもさらに収益の採算が悪いという事です。

つみたてNISAに関しては、信託報酬1%の商品に加入いただいても、金融機関からすれば実質的に年間0.5%の収益にしかなりません。

これまで金融機関は、販売手数料3%・信託報酬が1.8%程度(積立投資の場合の実質コストは約0.9%)のアクティブファンドですら、採算性が悪いので積立投資を全くと言っていい程提案してきませんでした。

そこからさらに収益性が下がると、つみたてNISAを推進したくても、推進すればするほど赤字になるので出来ないというのが金融機関サイドの本音でしょう。

それでは、本来の制度の目的である積立投資の普及の速度が遅くなります。

(つみたてNISAは積立投資に特化した制度ですから、金融機関の取り分として実質年間1%のコストを許容するなら、信託報酬の上限は2%としてもいいのです。)

この点については、今後の制度の改善も含めて議論が望まれます。

昨今、投資信託などの金融商品のコストの注目度が上がっています。

たしかに、投資家の立場からすれば、コストは低いほうがいいです。

しかし、いくら商品のコストが低くても、積立投資を続けられなければ意味がありません。

投資家の皆さんは、積立投資を継続する為に自分に必要な商品・方法を選択しましょう!

多くの人は「量」の視点を持ってないから教えてあげよう!

積立投資を続ける為に重要なのは「量」の視点です。

「量」の視点があれば、下落時も安心出来ますし、「下落を量を買い込むチャンス」と前向きに捉えることが出来るので、相場下落時も積立投資を続けやすいくなります。

しかし、ほとんどの日本人は、「量」の視点を持っていません。

金融業界が「平均買い付け単価」の説明ばかりしていて、「量」の説明をして来なかったからです。

それゆえ「下がったら損をする」と誤解しています。

今後、日本人は自助努力による資産形成が必要になります。

確定拠出年金の導入企業イデコつみたてNISAをスタートする人も増えています。

あなたの周りのお友達・同僚・ご家族が、相場下落時に安心して続けられる様に、積立投資の「量」の視点を教えてあげましょう!

【プロ向けメッセージ】「投資の成績=量×価格」で説明出来る人材を増やそう!

巷に定着している「平均買付単価」の説明では、積立投資のコストの影響を説明出来ません。

「投資の成績=量×価格」を用いれば、毎回買い付ける「量」や、「価格」がコストの影響を受けて少しずつ下がるなどのイメージも持つことができるので、コストの影響をお客様が理解できます。

また、「投資の成績=量×価格」を用いれば、下落時のメリットや下落時に継続することの大切さを説明できます。

投資家に積立投資を継続してもらわないと、投資家の資産形成は達成出来ません。

積立投資の重要な特徴やリスクを何一つ説明出来ない「平均買付単価」の説明を撲滅して、「投資の成績=量×価格」で正しく説明出来る人材を増やしましょう!

ドルコスト社会の実現に向けて、質と志の高いドルコストの伝道師を増やしましょう!