投資家は上がっても下がっても常に恐怖に晒されている

中長期の資産運用をしている投資家は、相場が上がっても下がっても常に恐怖に晒されています。

ノーベル経済学賞受賞者でプリンストン大学教授のダニエル・カーネマン教授によると、「脳」は利益より損失を2〜2.5倍も大きく感じます。

つまり、ある金額を得る「喜び」よりも、同金額を失う「悲しみ」の方が2〜2.5倍大きく感じるのです。

それゆえ、投資においても、「儲けたい」欲求より「損をしたくない」欲求の方が強くなる人が多いです。

ある金額を「儲けて」得られる喜びより、「損をして」感じる悲しみの方が大きいからです。

(特に投資初心者ほど、その傾向は強くなります)

この「損をしたくない」という特性を「損失回避」と言います。

そして、大半の投資家は「損失回避」を強く持つので、運用している期間、常に恐怖に晒されてしまうのです。

どの様な恐怖に晒されているか、ケースで分けて解説します。

常に値下がりの恐怖に晒される投資家

1.マーケットが下がっている場合

まず、ケース①マーケットが下がっている場合です。

ここから50%の確率で①「上昇する」②さらに「下落する」とします。(上がるか下がるかわからない状況)

この場合、「損失回避」的な投資家は「①上昇」して得られる喜びより、「②さらに下落」して感じる悲しみの方が大きいので、それが嫌で、「売りたくなってしまう」のです。

2.下落後、少し回復した場合

次に、なんとか下落局面を耐えて、マーケットが少し回復し始めるとします。

また50%の確率で①「上昇する」②さらに「下落する」とします。(上がるか下がるかわからない状況)

すると損失回避的な投資家は、やはり『「②下落する」方が嫌』で、「最悪の場面より回復したから、ここら辺で売却してしまおうか」という欲が出始めます。

3.下落から戻った場合

なんとか売りたい欲を抑えて、元に戻ったとします。

このとき、多くの投資家は

  • 「損をしないで済んだから良かった。もうここで辞めておこう。」
  • 「もうあんなヒヤヒヤする経験はしたくないから、投資はやめよう。」
  • 「また下がって、戻るのを我慢するのは嫌だから投資はやめよう。」
  • 「また下がるかもしれないから、損をしてない状況で現金化しておこう。」
  • という心理が働き、売却したくなる欲求が非常に強くなります。

これを資産運用業界では、「やれやれの戻り売り」と言います。

「やれやれ。ようやく戻ったから、ここで売ってしまおう」という心理です。

この様な経験をした投資家は、「もう投資はコリゴリ」と投資の世界から離れていく人も多いのです。

4.マーケットが上昇した場合

「やれやれの戻り売り」の欲求をなんとか耐えて、その後マーケットが上昇するとします。

そうすると、オレンジ色の部分が「含み益」になります。

(話を単純化するために、一括投資を想定しています)

「含み益」が出てくると、今度は「この利益を失いたくない!」という欲求が出てきます。

「投資をして損もしてないし、この辺で一度利益を確定させておきたい」という欲求です。

これは非常に強力で、この欲求に負けて、「一度現金化」してしまう投資家は沢山います。

いかがでしょうか?

資産運用をスタートすると相場が上がっても下がっても、投資かは常に下落の恐怖に晒されます。

そして、「下落が怖いので売却したい」という欲求と闘い続けるのです。

もともとは「将来の資産形成のために」という目的を持って始めても、「目先の利益を失いたくない」という損失回避の欲求が強いので、途中で離脱してしまう人が非常に多いのです。

そして、中長期的な相場の上昇を取り逃してしまいます。

マーケットが上がっても投資家は儲かっていない①:ダルバーの調査

マーケットが上がっても投資家は儲かっていない②:ブラックロックのリサーチ

マーケットが上がっても投資家は儲かってない③:openfolioのユーザー調査

マーケットが上がっても投資家は儲かってない④:アライアンスバーンスタインのリサーチ

積立投資家は長く続けてマーケットに居続けることが重要

積立投資は長期間続けて、将来の資産を積み上げる手法です。

目先の利益や損失に一喜一憂していては、資産を作ることはできません。

その為に必要な事は「強制力」の活用です。

それと「量」の視点を持つ事です。

「量」の視点があれば、下落時も安心出来ますし、「下落を量を買い込むチャンス」と前向きに捉えることが出来るので、相場下落時も積立投資を続けやすいくなります。

「強制力」を活用し、「量」の視点を持って一喜一憂せず、将来の目標に向けて積立投資を継続しましょう!

積立投資の「量」の視点を持ってない人が大勢いるから教えてあげよう!

ほとんどの日本人は、「量」の視点を持っていません。

金融業界が「平均買い付け単価」の説明ばかりしていて、「量」の説明をして来なかったからです。

それゆえ「下がったら損をする」と誤解しています。

今後、日本人は自助努力による資産形成が必要になります。

確定拠出年金の導入企業イデコつみたてNISAをスタートする人も増えています。

あなたの周りのお友達・同僚・ご家族が、積立投資を安心して続けられる様に、積立投資の「量」の視点を教えてあげましょう!

【プロ向けメッセージ】お客様に継続してもらえる様にサポートしよう!

積立投資でお客様に成功してもらうには、中長期で継続してもらう事が大切です。

お客様はすぐに「逃げたがる」ので、それを未然に防いであげるのが「強制力」のある「仕組み」「制度」の活用を提案してあげましょう。

そして、定期的にお客様とコンタクトをとり、本来の目的を再確認して、じっくりと資産運用を続ける大切さをリマインドしてあげましょう。

これをアメリカではbehavioral coachingと呼び、資産運用のアドバイザーの大切な役割として認識されています。

サポートの有無で積立投資の成否に大きな差が出ます。

いくら投資する商品のコストが安くても、続けられなければ意味がありません。

お客様に「量」の視点を持ってもらう為に、古い「平均買い付け単価」の説明は辞めて、「投資の成績=量×価格」で正しく説明しましょう!

そして、まだまだドルコストの伝道師、ドルコストのアドバイザーは不足しています。

質の高いドルコストの伝道師を増やして、将来お金で困る人を1人でも減らしましょう!

そして、ドルコスト社会を実現しましょう!