積立投資の特徴1:「値下がり安心」効果

この記事の図表は、ドルコスト平均法協会の会員になるとプレゼンやセミナー資料などにご利用いただけます。

積立投資(積立投資)には、一括投資にはない様々な特徴・リスクがあります。

現在定着している平均買付単価を用いた間違った説明では、それらの重要な特徴・リスクを説明できません。

今回から、星野泰平が12年以上かけて研究してきた積立投資の公式:投資の成績=量×価格を用いて、これまで金融業界が説明してこなかった積立投資の特徴・リスクを解説します。

今回は積立投資の特徴①「値下がり安心効果」について解説します。

積立投資(積立投資)の特徴① 値下がり安心効果

「投資した商品が値下がりしたら損をする」と思っていませんか?

たしかに、まとまった資金を一度に投資する「一括投資」の場合、投資した商品が値下がりしたら損をします。

しかし、毎月一定金額ずつ投資する「積立投資」(積立投資)の場合、損するとは限りません。

半値になってものケース

 これは架空の投資信託の値動きです。

スタート時の価格は10,000円です。7年後に2,000円まで下落し、10年後に5,000円まで回復しました。

終値はスタート時の半分の値段です。

この投資信託に毎月、1万円ずつ積立投資を続けたらどうなるでしょう?

毎月1万円ずつ投資すると、1年間で12万円の投資金額になります。

10年間の投資金額は合計120万円になります。

上図の様な値動きをする投資信託に毎月1万円ずつ10年間積立投資をした場合、10年後、あなたの投資した120万円はいくらになるでしょうか?

【選択肢】

①約72万円   ②約90万円   ③約139万円

(正解はこの下に続きます)

 

 

 

 

 

 

いかがでしょうか?

正解は③約139万円です。

なんと、価格が開始時の半分に値下がりしても利益が出ています。

仮に120万円を一度にまとめて投資した場合、10年後は半分の60万円になり、60万円の赤字です。

しかし、積立投資の場合、約19万円の黒字になるのです。

 なぜ、投資信託が下がっても利益がでたのかわかりますか?

その理由を、積立投資の公式で解説します。

【超重要】積立投資の公式とは

積立投資で最も重要なのは、積立投資の公式「投資の成績=量×価格」です。

積立投資の成績は、金融商品を買い込んだ「量」と、それを評価(売却)する時の「価格」の掛け算で決まります。

ただ、初めての方はこの式を見てもよくわからないと思うので、この式を3つのポイントで解説します。

 POINT1:投資の「量」の視点を持つ

ポイント1は、投資の「量」の視点を持つことです。

投資は、私たちが普段スーパーやデパートで買い物をするのと同様、「量」を買う作業です。

例えば、スーパーで1個100円のリンゴがあります。

レジで1万円を支払うと何個の「量」を買えるでしょうか?

答えは「100個」です。

投資もこれと同じです。

仮に価格(株価)が100円の株式があるとします。その株に1万円投資すると何株買えるでしょう?

正解は「100株」です。

株式に投資すると、「株数」が増えます。

投資信託の場合は、「口数」が増えます。

この様に、投資は普段のお買い物と同じように、「量」を買う行為です。

初心者の方は、投資すると「お金がどこかにいってしまった」「よくわからない所に消えてしまった」というイメージを持たれる方が多いです。

しかし、投資は普段の買い物と同じように、しっかりと「量」を買い込んでいることを理解しましょう。

この「量」を買い込んでいるという視点が1つ目のポイントです。

POINT2:毎回買える「量」が変わる

2つ目のポイントは、毎月買える「量」が変化する点です。

これも投資に限らず、普段の買い物と同じです。

上の図をご覧ください。

1ヶ月目、スーパーでリンゴが100円で販売されていて、1万円払うと100個買えました。

2ヶ月目、リンゴが50円に値下がりしました。

この時、1万円支払うとりんごを何個買えるでしょうか?

答えは200個です。

リンゴの価格が半額に下がったので、1ヶ月目の2倍の量を買えました。

価格が下がると買える量が増えるのです。

3ヶ月目、リンゴは200円に値上がりしていました。

この時1万円を支払うと、何個買えるでしょうか?

答えは、50個です。

価格が上がると、買える量は減ります。

これは積立投資でも同じです。

投資信託に積立投資をする場合、投資信託の価格が下がると、多くの量(口数)が買えます。

価格が上がると少ない量(口数)しか買えません。

日常の買物でも投資でも、商品の価格が下がれば多くの量が買え、価格が上がると少ない量しか買えないのです。

この様に、積立投資は毎月購入できる「量」が変わるが2つ目のポイントです。

POINT3:買った「量」を積み上げていく

3つ目のポイントは、毎月買った量を積み上げる点です。

1ヶ月目はリンゴが100円だったので、100個買えました。

2ヶ月目は50円に値下がりしたので、200個買えました。

買った量の合計は300個です(1ヶ月目:100個、2ヶ月目:200個)。

3ヶ月目は200円に値上がりしたので、50個しか買えませんでした。

同様に、買った量の合計は350個です(1ヶ月目:100個、2ヶ月目:200個)、3ヶ月目:50個)。

この様に、積立投資は買った量を積み上げます。

株式に投資する場合は「株数」、投資信託の場合は「口数」を積み上げます。

買った量を”積み立てる”ので「積立投資」と呼ぶのです。

3つ目のポイントは、買い込んだ「量」を積み上げる点です。

投資の成績の考え方

それでは質問です。

今、あなたはリンゴを350個持っています。

そのリンゴを駅前広場で1個200円で販売したら、全部売れました。

この時、あなたはいくらの現金を手にするでしょう?

350個のリンゴを1個200円で売却したので、正解は7万円です。

これが、量×価格の考え方です。

たくさん買い込んだ「量」を積み上げて、最後の「価格」で売却(評価)するのです。

積立投資もこれと同様に考えます。

積立投資は毎月決まった金額を投資していきます。

つまり、毎月、投資信託などの「量」を買い込んでいきます(ポイント1)

投資する投資信託の価格は、毎月変わりますので、買える「量」は変化します。

価格が下がるとたくさんの「量」が買える一方、価格が上がると少ない「量」しか買えません。

毎回買える「量」が変化します(ポイント2)

毎月買い込んだ「量」を積み上げていきます。

前月までに買った分に、その月に買い込んだ量を積み立て、足していきます(ポイント3)

最後に、積み上げた「量」を将来の「価格」で評価(売却)すると、投資の成績が決まります。

投資もリンゴを販売する時と同じように、「量」×「価格」で成績が決まるのです。

積立投資をする時は、この公式「投資の成績=量×価格」が一番大切なので、しっかり理解しておきましょう。

「投資の公式」を理解したら「半値になっても」のグラフを再度確認しよう

積立投資の公式を理解したところで、もう一度、冒頭のクイズを確認しましょう。

この様な値動きをする投資信託に毎月1万円ずつ積立投資をしたら、どうなるでしょうか?

「価格」が下がるに連れて、買える「量」が増えていく様子がイメージできた人は、「量」の視点を持てた証拠です。

7年目の2,000円の時には、スタート時1万円の時に比べて、5倍の量が買えます。

1万円の洋服がバーゲンで2,000円に下がっていたら5着買えるのと同じです。

積立投資の場合、「価格」が下がると多くの「量」が買えるのです。

それでは、今回のケースを投資の公式に当てはめて考えてみましょう。

まず、最後の「価格」はスタート時の半値の5,000円でした。

しかし、下落することで多くの「量」を買えました。

そして、大量に買い込んだ「量」を、5,000円で評価(掛け算)すると約139万円になりました。

これが、積立投資の成績の決まり方です。

積立投資の場合、投資の成績は投資した商品の「価格」だけでは決まりません。

買い込んだ「量」も重要なのです。

「値下がり安心」効果の実例

これは1989年末からの日本株式の推移です。

バブルがはじけて以降、右肩下がりで推移しています。

1989年末から毎月1万円ずつの積立投資を始めた場合、初めて黒字化するのはいつでしょうか?

【選択肢】

A:1993年8月 B:1996年4月 C:1999年7月

(正解は下に続きます)

 

 

 

 

正解はAです。

1989年末にまとめて投資をしていた場合、40%以上の損失を出していますが、積立投資の場合は黒字になったのです。

この様に、積立投資の場合、投資対象が値下がりすると、たくさんの「量」が買えるため、「価格」が下落後に元の価格まで戻らなくても黒字化しやすいので、安心感があるのです。

「値下がり安心効果」の注意点

ただし、積立投資は万能ではありません。

例えば、上図の様に下がり続けたら「赤字」になります。

そのため、積立投資をする際に、大切なポイントは2点あります。

投資信託などを活用し、「投資対象」を分散する

1つ目は投資信託などを活用し、「投資対象」を分散するです。

投資信託を活用すれば、簡単に数十〜数千の対象に分散投資できます。

個別株式に積み立てると、その企業の「倒産リスク」を抱える事になります。

これだけ変化が速く大きい時代です。現時点で業績が良い企業でも、数十年後も同様に好調を維持しているかは誰にもわかりません。

それゆえ、投資信託などを活用し、パッケージで投資対象を分散することをオススメします。

アメリカやイギリスなどでも、投資信託を活用した積立投資は一般世帯に幅広く定着しています。

(*勿論、個別株式に積み立てるメリットもあります。自社株に積み立てれば、自社の業績アップへのモチベーションに繋がりますので、否定はしません。

ただ、リスクマネジメントの視点で考えた場合、お給料をもらう企業と、投資対象は分けておいた方がリスクは減ります。

実際、アメリカではサブプライムショックの時、会社が倒産してお給料をもらえなくなっただけでなく、それまで積み立てた自社株もゼロになり、悲惨な人が山ほど出て、訴訟が続いたこともあります。)

中長期的に成長が期待できる資産に分散する

2つ目は、「中長期的に成長が期待できる」資産に分散投資するです。

積立投資は「下がっても安心」とはいえ、下がり続けていては赤字になります。

短期的な上下を繰り返しつつも、中長期的に成長が期待できる資産に積み立てるのが大切です。

世界経済はこれまでもそうでしたが、今後も中長期的に成長が期待できます。

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この世界経済の成長力を活用することが、積立投資の鉄則です。

その際、主軸になるのは株式の成長力です。

実際、アメリカやイギリスでも、積立投資家の主力資産は株式です。

これまで、世界の株式は短期的な上下を繰り返しながら、中長期的に成長してきました。

(*日本株式は数少ない例外で、約30年間経過してもまだ高値を更新してません)

その根底にあるのは、世界経済の成長・拡大です。

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今後も、世界の人口増加や、新しいテクノロジーの登場等により、世界経済は中長期的に成長・拡大を続けるでしょう。

それを信じることができる人は、「量」の視点をもち、短期的な上下に一喜一憂せず、世界経済の成長力を活かして積立投資をすればいいです。

逆に、「世界経済の成長力」を信じることが出来ない人は、積立投資はオススメしません。

「値下がり安心」効果のトレーニング

最後に、「値下がり安心」効果のトレーニングをしましょう。

「投資の成績=量×価格」の公式を用いて、考えてみましょう!

 投資終了時の価格が違うケース

これは7年目に2,000円まで下落し、その後の戻りが異なり、それぞれ①から⑤の終わり値になったケースです。

①から⑤で、利益が出たのは何番でしょうか?

 

正解はこちらです。

①と②は利益が出ましたが、③④⑤は赤字になりました。

この様に、積立投資は必ず黒字になる手法ではなく、ある水準まで戻ることが必要です。

反転する価格が異なるケース

次は、反転する価格が異なるケースです。

①から⑤で、利益が出たのは何番でしょうか?

 

 

正解はこちらです。

④⑤は利益が出ましたが、①②③は赤字になりました。

この様に、積立投資は「下がっても必ず黒字」になる投資手法ではありません。

積立投資の成績は、あくまで「量」×「価格」で決まるのです。

積立投資の特徴① 値下がり安心効果のまとめ

積立投資は「安心感」がある投資手法

今回は積立投資の特徴① 値下がり安心効果について解説しました。

積立投資の場合、「値下がりしても大丈夫」という安心感があります。

理由は、値下がりすると自動的に多くの「量」を買い込むからです。

その後、ある程度「価格」が戻れば、赤字から黒字に回復しやすいのです。

これが、一括投資にはない積立投資の「値下がり安心効果」です。

多くの人は積立投資の「量」の視点を持っていないから教えてあげよう!

しかし、残念なことに、ほとんどの人は「量」の視点を持っていません。

投資した商品の「価格」=「値動き」しか見えてないので、「上がったら儲かり、下がったら損をする」「誤解」しています。

「量」の視点を持てば、「下落時」も安心して続けられます。

しかし、「量」の視点を持ってないので、「下がったら損する」「値下がりが怖い」と「勘違い」しているのです。

多くの人が「量」の視点を持っていない理由は、金融業界がこれまで「量」の視点を全く説明してこなかったからです。

「平均買い付け単価」を用いた間違った説明しかしてきませんでした。

これから、自助努力による資産形成は非常に重要な時代になります。

積立投資は、普通のご家庭でも取り組みやすい資産形成手法として、海外でも幅広く定着しています。

それを「ギャンブル」の様に「誤解」したまま遠ざけてしまうのはもったいないです。

あなたのご家族・お友達・同僚・社員の方にも、「量」の視点を教えてあげて、積立投資に対する「誤解」を解いてあげましょう。 

投資は自己責任です。

だからこそ、適切な判断を下すためにも、まずは正しく理解することが重要です。

金融機関がほとんど伝えていない「量」の視点を、あなたの周りの人に教えてあげましょう!